完璧主義のトップドライバー 松田次生の愛用品SEV

‌’00年、史上最年少の弱冠20歳でフォーミュラ・ニッポン初優勝を果たし、’07年から’08年にかけて連覇を達成。

 スーパーGTのGT500においても’14年と’15年の2年連続でチャンピオンに輝くなど、日本を代表するトップドライバーとして君臨しているのが松田次生だ。

 順風満帆に見えるキャリアとクールな風貌ゆえ、子供の頃から英才教育を受けてきた、もしくは天賦の才能に恵まれたエリートに思われがちだが、松田のレース人生は資金難、シート喪失、スランプ、移籍…と、常に浮き沈みの中にあった。それでも20年近くに渡って第一線に立ち続けてこられたのはレースに対する情熱はもちろん、なによりクルマが好きで好きで仕方がないというピュアな想いに他ならない。

 小学生時代にはありとあらゆるクルマのスペックやモデルバリエーションを暗記。18歳で免許が取れるとヒール&トゥをマスターするために10万㎞近くもの距離を1年で走破するなど、とにかくひたむきに突き詰めるタイプなのだ。

 様々な電子デバイスがクルマを制御し、パドルシフトによって、ギアチェンジひとつにも差が出なくなった今もそれは変わらず、日常的にHパターンシフトのクルマに乗ることを欠かさず、そのスキルを維持しているのだと言う。

 「現代のレーシングマシンはドライバー独自の技を発揮しづらくなっていますが、どれだけ電子制御が進んでもスキルの違いは必ずタイムに反映され、そうでなかったとしても例えばエンジンやミッション、タイヤのライフに影響する。だからこそこれまで培ってきた技術をおろそかにせず、高めていくべきだと思っています」と語る。

 そのためのアプローチが半端ではないのが松田らしいところで、現在KPGC10、R32、R33、R34、400R(ニスモが開発した限定モデル)といった歴代のGT-Rを所有。日産のエースとして仕事ではGT500仕様のR35のステアリングを握りながら、プライベートではそのルーツになったモデルに乗り、GT-Rへのリスペクトと一体感を深めるという徹底っぷりなのだ。

 そうやって何事にものめり込む松田を、人は「完璧主義者」と評する。

 「アスリートとして高いレベルをキープし続けるためにできることはなんでもしたい。よく〝そこまでして疲れませんか〟と聞かれますが、なにかに没頭している時が一番リラックスしている時かもしれませんね。とはいえ、闇雲に突き進むわけではないんですよ。トレーニングにしても開発テストにしても、その目的や理由を論理的に説明してもらい、納得してから取り組むようにしています」
 そんな風にストイックな松田が効果を認め、自身の体と愛車のコンディション向上のために使用しているアイテムのひとつにSEV(セブ)がある。天然鉱石と様々な金属を配合することによって作られ、物質の間に生まれる抵抗や摩擦を軽減するというSEV。レーシングドライバーのみならず、様々なカテゴリーのトップアスリートにも広く使われている。

松田氏が「お風呂に入るとき以外はずっと付けている」と言う“SEVルーパー TypeM”。スーパーGTで活躍する柳田真孝氏のほか、さまざまな競技で多くのトップアスリートが愛用している。

 「おそらく多くの人がそうだと思いますが、僕自身も最初は懐疑的でした。ただ、それこそ騙されたと思って6年ほど前にネックレスタイプのSEVを身に着けてみたのが最初です。一番体感しやすかったのが体の軽さですね。トレーニングやレースで全身に負荷を掛けても疲労が残りにくく、モチベーションや集中力が持続するんです。フィジカル面のコンディションがいいとメンタル的にもポジティブになれますから、今や外すのは入浴の時くらいです(笑)」

 そして、現在は愛車にもSEVを使う。

 「長時間走ってもエンジンのタレ感が少なく、油温や水温が安定するようになりました。雑味が取れて、クルマ全体のフィーリングがまろやかになるような感覚で、運転しやすい。例えばこのR33 GT-Rも手に入れた時はアイドリングがバラつき、神経質なところがあったのですがSEVを装着してからはピッタリ900回転で固定。吹け上がりもスムーズになり、走行21万㎞を超えた車両とは思えないほど好調ですよ」

右ページの松田選手所有R-33 GT-Rに装着されているSEV。(左上から時計回りに)電子制御システムの流れをスムーズにする「e-charge」。/個々の部品や機構の電子的バランスを整えエンジン本来のパフォーマンスを引き出す「ENGINE TUNER」。/ラジエーターホースに取り付けることで冷却水に働きかけ、熱や金属のひずみによるロスを軽減。「N-1」は低・中回転域でのトルク感を、「N-2」は中・高回転域でのパワー感を向上させる。/ボディバランスを整え乗り心地を安定させる働きをする「CENTER ON LIMITED」。

 実際、松田のR33には本気で走り込んだクルマ特有の排気痕や跳ね石によるキズが至るところにある一方、ホコリや泥、ブレーキダストによる汚れは微塵もない(ホイールの内側も磨き上げられていた)。それほどまでに走りの機能を追求し続ける完璧主義者がSEVを選び、装着しているという事実が暗にその効果の程を物語っている。

 主戦場であるスーパーGTのタイトル奪取はもちろん、ル・マンやニュルブルクリンクといった世界の舞台でも闘いたい、と語る松田。ドライバーを取り巻く環境は刻々と変化するが、これからもSEVとともに挑むことはだけは変わらないはずだ。

photo:Tomonobu Fuchimoto

Tsugio Matsuda
1979年生まれ。フォーミュラ・ニッポン、スーパーGT500でシリーズチャンピオンを獲得するなど日本を代表するレーシングドライバー。冷静かつ戦略的なレース運びで知られている。一方、趣味の鉄道模型では”Nゲージ”の自作レイアウトで車両を走らせる。完璧主義者と言われる所以である。

問い合わせ:SEVショールーム東京
SEVショールーム東京
住所:東京都品川区五反田1-24-10
電話:03(5423)7518
URL:www.sev.info

SEVは健康・スポーツ製品と自動車用製品をあわせ持ち、これまでにもTRDやARTAなどとのコラボ製品が発売されるなど自動車業界でのファンも多い。現在、オートバックスではSEVの専用コーナーが設けられている。


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