ahead Vol.62 PEOPLE
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ラリーは大人の学校だ

自身もパリダカへの出場経験を持ちながら、国内ラリーのみならず、日本人で唯一、国際クロスカントリーラリーを主催するのが、SSER代表の山田 徹さん。ラリーとは? ラリーの主催とは?モータースポーツとしてのラリーとは少し違った角度から、お話をうかがった。

聞き手・若林葉子 写真・桐島ローランド(p61) 写真提供・SSER ORGANISATION(p62,p63)

僕はラリーによって自分の世界観を表現しているんです

山田 徹さん

ラリーは環境破壊か


──2007年のパリダカに出場した編集長の桐島によると、クロスカントリーラリーの最高峰であるパリダカにも「環境破壊」の観点から、何かと批判があるようです。

山田  ラリーというと、砂埃を巻き上げて激走するクルマの映像ばかりが目に入ってきます。それが「かっこいいんだ」と思われていた時代はありますが、今はむしろ批判的に見られるようになりました。ただそれが本当に環境破壊かどうかは意見が分かれるところでしょう。

──というと?

山田  だって環境を破壊し尽くした挙句に舗装路ができているわけです。現在の我々の生活は環境破壊の上に成り立っている。プリミティブな自然の道を走ると、確かに砂埃は立ちますが、こんな時代でもまだまだ世界の大半はそういう道なんですよ。舗装路を走るのが環境に優しくて、舗装されていない道をラリーで走るのが環境破壊だと言ってしまうのは錯覚です。

──分かりやすいからそう言ってしまうんでしょうね。

山田  ただし、考えなくてはいけないことはいろいろありますよ。ゴミの問題はもちろんですが、「見え方」「見せ方」も大事だと思うんです。「西安−パリ」のラリーにはテレビの取材クルーが同行しましたが、みんなトラブルを待っているんです。でも僕は「そんなものは待つな」と言いたい。事故に遭遇したら、まずカメラを置いて助ける。カメラはその次。砂埃や事故のほかに撮るものがあるはずなんです。

──つまり、私たちメディアが、これまでとは違うラリーの魅力を伝えなければいけないということですね。


原点は棚田に映る月


──「ラリー」というなかなか仕事にはしにくいことで、生活なさっている山田さんはすごいなと常々思っているのですが。

山田  僕の父親は、資財を投げ打って、愛媛の交響楽団でオーケストラを作った人なんです。母親がせっせと働いて父のスポンサーをやっていた。それを素晴らしいことだと思ったんですよ。それで子ども心に「オトコっていうものはやりたいことをやって、嫁さんがなんとかするもんなんだな」って。

──「嫁さん」は大変ですね…。ところで、バイクはいつからですか?

山田  16歳からです。高校時代の6月のある夜。林道を越えて、さらに山を越えて、ふと疲れを覚えて腰を下ろしたら、ずーっと広がった棚田に満月がいくつもいくつも映っていて、感動しました。そんな風にバイクと一緒に見た風景がたくさんあって、それが今の自分を支えているんです。

──原点、ですね。