オンナにとってクルマとは vol.48 自動車保険に望むこと

 女性のパワーでクルマ社会を元気にしようという活動、「ピンク・ホイール・プロジェクト」に参加してくれている女性ジャーナリストたちと、自動車保険を扱う損保ジャパンで立ち上がった女性プロジェクトのメンバーで、座談会を行った。

 テーマは、もっと女性に親しみやすい自動車保険とは、またこれからの自動車保険の在り方とは、などなど。お茶菓子をつまみながら、女性らしく和やかな雰囲気でスタートしたものの、私たちがユーザー目線で感じている疑問や不満、実際の体験などが次々とぶちまけられ、実現性の高いものから低いものまで今後の提案などが飛び出し、展開はどんどんヒートアップ。気がつけば4時間半にも及ぶ、濃密な会となったのだった。

 私がいつも感じているのは、自動車保険は「万が一」の時のために加入するけれど、本当に「万が一」の時だけのものでいいのだろうか、ということ。女性の多くは、運転に苦手意識を持っていたり、分からないことがあって不安になったりしている。ならば、保険会社に普段から電話やメールで何でも相談できたり、質問できたりするコンシェルジュのような機能があれば、女性はもっと安心してカーライフを送れるようになり、自動車保険に対しても、いつも側についていてくれる「お守り」のような存在に感じられるのではないかと思う。

 また、保険内容で考えなければいけないのは、もし女性が事故にあった時には、本人に対する保障だけでは影響をカバーしきれない可能性が高いということ。家族の食事を作ったり、子供の送り迎えやペットのお世話、介護など、女性の役割は家族全員の動きをスムーズにする潤滑油のようなもの。もしその潤滑油が急になくなれば、その家庭は動けなくなってしまう。損保ジャパンでは、ホームペルパーや介護代行など、そうした家族やペットのお世話にかかった費用まで支払われる特約を、オプションで新規に採用したという。

 そして、自動車保険は一度も使うことなく更新の時期を迎えると、どうもお金を無駄にした気分になりがち。だから、3年ごとに5万円のボーナスが受け取れる、「無事故お祝い金」なんてシステムがあったらどうだろう。こんな感じでアイデアはどんどん湧いてくるが、ひとまずは、女性の弱い部分やもろい部分を支えながら、ちょっと得したい気分まで満たしてくれる、そんな自動車保険が登場することを願っている。

文・まるも亜希子

Akiko Marumo

自動車雑誌編集者を経て、現在はカーライフジャーナリストとして、雑誌やトークショーなどで活躍する。2013年3月には、女性の力を結集し、自動車業界に新しい風を吹き込むべく、自ら発起人となり、「PINK WHEEL PROJECT」を立ち上げた。

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